東大助教、トルコ人初の宇宙飛行士候補のアニリール・セルカン氏、宇宙飛行士の写真を捏造か? | その他 | sorae.jp

 おや、404になっとる。この件、たいして興味はなかったんだけど、*1 なんの断りもなく記事が消されるような案件だったのね。そういうことされると、思わずサルベージして保存したくなるじゃないか。

トルコ人初の宇宙飛行士候補として知られ、東京大学工学系研究科建築学専攻助教アニリール・セルカン氏の著書などで掲載されていた同氏の写真が、他の宇宙飛行士の写真を合成し、捏造したのではないかと疑われているようだ。

問題の写真(上部)は、2009年8月に中央公論新社から発売された同氏の「ポケットの中の宇宙」の55ページに掲載されており、2004年12月、アニリール・セルカン氏が宇宙飛行士候補に選ばれた時、マスコミに発表された写真だという。

しかし、この写真には多くの疑問点が存在する。まず、宇宙飛行士候補(Astronaut Candidates)に選ばれたとしても、このような船外活動用の宇宙服「船外活動ユニット(EMU)」を着ての撮影が行われることはない。EMUを着て撮影が行われるのは通常、宇宙飛行士として認定され、フライトが決まってからである。

また、この写真のEMUのデザインが古く、NASAのロゴパッチも1992年までに使用していた古いもの。左腕の国旗も、同氏の国籍トルコではなく、なぜかアメリカになっている。アニリール・セルカン氏がもし2004年に宇宙飛行士(候補)として認定され、例え撮影が行われたとしても、このEMUやパッチが使用されることは考えにくい。

ちなみに、現在のEMUは、国際宇宙ステーションISS)で2年間、どの宇宙飛行士でも使用できるように、製造元のハミルトン・サンドストランド社が1999年頃に改良したもので、バッテリーの増加や、カメラやラジオの性能向上、手袋ヒーターの追加などの改良が施されている。上記のEMUとの違いについては、肩と腕が一体型(肩に注目)に改良されており、若田光一宇宙飛行士の写真や、野口聡一宇宙飛行士の写真を確認すれば、すぐに分かると思う。

さらに、写真をよく見るとミッションパッチが1992年に打ち上げられたSTS-49(エンデバーの初飛行)のもので、同ミッションを調べてみると、参加したリチャード・ヒーブ宇宙飛行士の写真(下部)と非常に似ていることから、アニリール・セルカン氏はこの写真を合成したのではないかと考えられる。

ネット上では現在、アニリール・セルカン氏の経歴や業績も疑われており、まとめwikiサイトなども作られているが、これらについて、本人及び助教として採用した東京大学からの発表やコメントはまだない。

アニリール・セルカン経歴詐称疑惑 - 研究者の経歴詐称、捏造を追求するblog
http://blog.goo.ne.jp/11jigen

アニリール・セルカン経歴詐称疑惑
http://www29.atwiki.jp/serkan_anilir/

アニリール・セルカンのブログ
http://blog.anilir.net/

*1:著書も、書店でタイトルに引かれて手に取ったけど、「興味あるネタだけど既出の内容ばっかり」という代物だったんで買わなかったような記憶が。