牧野修『少年テングサのしょっぱい呪文』(電撃文庫)

 ああっ、面白かったのに、どこがどう面白かったか書こうと思うとオチをバラしそうになってしまう。困ったので作者ネタに走ろう。
 メディアワークス文庫ならともかく電撃文庫で牧野氏? なんかイメチェンなり新境地開拓なりを考えてるんだろうか、p.31の「私」は伏線か、とか思いながら読み進めてたら、なんとまぁ、電撃文庫というレーベルでどこまでエグイ話をやれるかの実験かいな。莫迦さと明るい性格とイラストで三重のオブラート防壁を作っても、作者の本性を覆い隠すにはまるで足らんようで。
 それにしても、いやぁ、バカっていいよね。小賢しいガキだった俺としては、実に憧れである。