残念×2

三井雷太『パラダイスロスト』(メガミ文庫)

 良い雰囲気、格好良い主人公、ちょっと不思議な舞台、ぎたんぎたんにブチ倒しても心の痛まない、というかスカッとする邪悪な悪党。と、個々のパーツは結構好みなんだが、ついでに絵とキャラと小道具でどうしてもブギーの凪さんを連想してニヤニヤしてしまったんだが……ラストのオチが、そこまでの本筋と全然無関係なのはどういう効果を狙ってるんだろう? 十四章をごっそり入れ替えたいな。「それから、ヒトミと理沙はいろんな不思議に出会いながら仲良くいちゃいちゃ暮らしました」で綺麗に締めればいいのに、なんでこうなったのかしら。

麻城ゆう『新・特捜司法官S-A 9―ジョーカー外伝』(新書館ウィングス文庫)

 相変わらず説明が長い。さすがに手慣れたもので上手いことボケる役とまとめる役を分散配置しながら進めてるんで読みにくかったり分かりにくかったりはしないんだけど、9巻にもなって本編212ページ中133ページまでがえんえん状況と設定の説明って。秋津みたいな、捜査や情報収集のために積極的に動くことのできない立場の人間を主人公にして、社会の裏でうごめく大きな陰謀の話をするって、そもそも根本的に無理があるんじゃなかろうか。

 まぁ、おまけ短編でリィンに再会できたんで良しとするか。って、前巻でもそんな感想を抱いた気がするなぁ。