大楽絢太『テツワンレイダー 1』(富士見ファンタジア文庫)
「悪いが、俺は、人間不信なんでな。人間と、人間じゃないものがいたら、そっちを信じさせてもらう」
いやぁ、えらい作風変わったなぁ。おまけにどーも盛り上がりに乏しいまま進んだと思ったら、なんと一冊まるまるプロローグ。これ、前作を知らずに書店でいきなり手に取った人にはハードル高いだろうなぁ。もちろん15ページものあとがきもそのフォローのために紙幅をとったんだろうし、前作からのファンとしては、面白いものを書く人だと確信してるんで次巻も買うつもりだけど、それでもなんというか、この「血の温度の低さ」みたいな淡々とした盛り上がりのなさと、一方での容赦なさ、本書単体の評価としてはかなり辛いものがあるな。いつもなら容赦ない展開のお話はむしろ好みなんだけど、熱の籠もらない語り口でそれをやられると、かなりキツいもんだ。ま、同業者をして「ありえねえ! でも見てえ!」
と言わしめたこれからの展開に期待。
- 作者: 大楽絢太,桜沢いづみ
- 出版社/メーカー: 富士見書房
- 発売日: 2009/11/20
- メディア: 文庫
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