林トモアキ『ミスマルカ興国物語 VI』(角川スニーカー文庫)

 ジェスの過去にエミットの正体に先代の人たちの企みと力の正体、なんか一気に謎解き編ですな。ここに来てマヒロと同じくらいおかしな奴が出てきて、と同時にマヒロがようやく内面を描写されてそれなりに普通の人間に見えてきたような気がする。

あのときやこのとき。ひょっとしたら自分もこんな笑顔だったのだろうかと、固唾を呑んでからマヒロは問うた。

 しかしこの終盤の超展開はなんなんだ。麻雀のルールなりゲーム運びを知ってればもっと何か深いものを読み取れるのか、それともそういうことは深く考えずに「師匠とエミットすげー」と受け取っとけばいいのか、はて?