ASCII.jp:「明るい未来を作るため」ニコ動に来た小説家、野尻抱介氏

 おやま、小説のファンとしてはなかなかに寂しい気分になる記事じゃのう。ま、本人に書く気がないものを首に縄つけて書かせるわけにもいかんし、しゃあないな。野尻氏は以後続刊無し、と。我が家の本棚に於ける野尻氏の著作の排列を、今後の新作や続刊を見越した余裕のある配置から、最密充填な収納効率最優先へと模様替えして、他の作家のための空きスペースを作ることにしよう。

―― 小説家・野尻抱介さんと、ニコ動・尻Pで活動の違いはありますか?

尻P わたしはどうしても小説を書きたくて書いているわけじゃないんですよ。初めはゲームのノベライズから入って、もともと仕事で書いてるんです。だから小説を書くこと自体は目的じゃなくて。小説でもなんでもいいから、明るい未来を作るのが「目的」なんです。

―― 明るい未来というと。

尻P SFって未来を予言するものだと言われるけど、本当は予言じゃなくて「提案」だと思うんですよ。こんな未来っていいでしょ、って提案していくのがSFの役目だと思っていて。なので「ニコ動的な世界感がどんどん盛り上がっていった先にどんなものが生まれるか」を示すには、小説に書く必要はないですよね。だったら実際にニコ動を盛り上げてけばいいじゃないですか。

―― なるほど、未来を提案する手段が変わっちゃったんですね。

尻P だから、小説を書く必要がなくなっちゃったなあって感じなんですよねえ。