内堀優一『笑わない科学者と時詠みの魔法使い』(HJ文庫)

 悪くはないけど期待はずれ、だな。あらすじとかから、てっきり真面目に現実世界の既知の有り様と矛盾しない魔法の仕組みについて考証してあるお話しかと思ったら、入学2年目の物理専攻の学生が研究室に籠もったり植物ホルモンの種類とその合成方法を諳んじたり出来る謎カリキュラムの大学が存在するファンタジー世界だったとは。で、キャラもストーリーも悪くはないんだけど、無表情な主人公やら抑制的なヒロインやらと、台詞なり地の文なりでひたすら淡々と説明を展開していく作風のおかげで、盛り上がらぬことおびただしい。お話自体は好きなタイプなんだけどなぁ。

笑わない科学者と時詠みの魔法使い (HJ文庫)

笑わない科学者と時詠みの魔法使い (HJ文庫)