中村一『空を継ぐもの―覚醒遺伝子』(電撃文庫)

 なかなかに綺麗なよい話。ちょいと幼なじみの立ち位置が悲惨なのと、エピローグが駆け足過ぎなのが気に掛かりはするが。それよりすでに2ヵ月後に続刊が決定してることのほうが楽しみなような不安なような。当然そっちでは放ったらかしになってる裏側の話がメインで展開するんだろうけど、この綺麗にストンと収まったエンドから何をどう繋ぐのやら。それとも空白の7年間を舞台にして、本書のラストがそのまま真のエンディング、かな。それならまぁ雰囲気は壊れなさそう。なんというか、本書単体だと充分に出来のいい佳作、でも続刊があると聞くと期待しつつも不安が増す、みたいな。
 ま、どっちにせよ、本作に限っては次巻まで読んで初めて評価対象になる、という感じかな。

空を継ぐもの―覚醒遺伝子 (電撃文庫)

空を継ぐもの―覚醒遺伝子 (電撃文庫)