木戸実験『破小路ねるのと堕天〈だてん〉列車事件』(スマッシュ文庫)

 結局、牛越兄妹のエピソードは何のためにあったんだ? とか、突っ込みはじめるといろいろアラも見えてくるんだけど、これはもう、そういう読み方じゃなく、少し(というかかなり大いに)不思議系の佳作として雰囲気を楽しめばOK、かな。キャラが天然系かと思ったら作者と作品が天然だった、みたいな。
 キャラ萌えを前面に打ち出したレーベルでキャラについて描写を深めず「変な話」モードを全開にするという捻くれ方が結構好みなんでこの作者の次には期待したいんだけど、このレーベル、大丈夫かね? 3月の創刊時点で予定してた3冊のうち1冊がいきなり2ヵ月延期、結局3ヵ月に3冊しか発行されず今後の予定も1冊/月でそれも5月の予定が延期されたもの。通販ならともかくリアル書店の棚にスペースを確保できるとはとてもじゃないが思えんなぁ。

破小路ねるのと堕天〈だてん〉列車事件 (スマッシュ文庫 き 1-1-1)

破小路ねるのと堕天〈だてん〉列車事件 (スマッシュ文庫 き 1-1-1)