この中にイトカワの砂? はやぶさカプセルの写真 - 47NEWS(よんななニュース)

 wktk。しかし、小さい方が安全確実に運びやすいんだろうけど、現地でここまでひん剝いちゃっても良いものなんだ。通信機器などを取り除く作業が万一にも密閉性に影響する可能性を考慮しなくても良いくらいに、予定通りふんわりと着地した、ということなんだろうなぁ。
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 それと、ギネスに申請云々の件で、世界最長となる可能性があった「はやぶさ」の総飛行距離については、正確なデータではないことに加え、科学面での重要度は低いために、申請しなかったという一節に、Hayabusa Live » 「はやぶさ」の総航行距離?で熱く語ってたのを思い出し、やっぱ中の人はお祭り騒ぎよりも科学的正確さが優先なんだよな、と改めて感じたり。

ASCII.jp:「はやぶさ」の危機に、真田ぁ〜ず「こんなこともあろうかとッ!!」|“JAXAの真田ぁ〜ず”に総力インタビュー!

 素晴らしいインタビューのシリーズ。ようやく明かされるプロジェクタイルに関する詳細。

サンプラーホーンもちゃんとたわんで、着地して、「弾を撃て」というコマンドが発行されたところまでは事実です。
(中略)
 僕、すごくよく覚えてるんですけど、「WCT」の表示が現れて、周りが「わーっ」と盛り上がって握手したり抱き合ったりしていたとき、一番奥の管制卓にいた僕はそうなってないんですよ。なぜかというと、「WCT」は弾を撃てというコマンドを発したという印に過ぎなくて、弾を撃ったという証拠じゃないんです。
 コマンド発行と、コマンド実行との間には、凄く大きなギャップがありますよね。コマンドを発行して、着火されればさすがに弾は飛び出しますから、僕はずっとそれを待っていたんです。
(中略)
弾丸を射出する部分は、点火球に電気を走らせて火薬を爆発させ、弾を加速させるわけですが、点火球がちゃんと導通したかどうかを「はやぶさ」は記録していたはずなのです。しかしそのデータは一時メモリに入っていたので、探査機と通信断絶後、復旧しても再生できませんでした。
 また最後の部分は人間が判断をくだすわけでなく、ロボットが条件に沿って自律的に判断するのですが、そのときに実際は不用な弾丸発射中止のコマンドが残っていた可能性があります。
 最大の原因は、第一回と第二回の間に1週間しか時間がなかったため、地上側でじゅうぶんなシミュレーションができずに臨まざるを得なかったこと。
 すべてのエラーをつぶしてからできればよかったとは言えると思いますが、あのときのメンバーは日本で最も探査機の運用が上手い人たちで、それでもミスがあったとすれば、誰でもミスするレベルだったと思います。
 僕にとっては、とにかく「事実を知りたい」ですね。WCTの表示が出て、コマンドが発行されたその結果を一時メモリから再生する前に、「はやぶさ」は姿勢を失って、リカバリしたときには結果は失われていた。
 一方で、温度に関係するデータを集めてみました。降下する際、探査機は小惑星からの照り返しを受けて、おおよそ決まったレートで温かくなっていくのですが、火薬が爆発するとその周囲の温度が急に上がるはず。温度のデータは取得できたので、調べてみました。
 ごくわずか、数ディジットのレベルですけど、上がっているようには見えるんです。それが弾を撃ったことによるのか、熱慣性の問題なのかわかりませんが、弾を撃ったから温度が上がったと考えても矛盾のないデータではあります。とにかくあのときは「探査機を壊さないように」というのが最優先で割と淡々としてはいたのですが、事実を知りたいという気持ちはずっとあります。

Voyager 2号からも祝辞

 via 【遙かなる】惑星探査機ボイジャースレ2【旅人】。カプセル着地からおおむね1日と2時間40分後の祝辞。ちゃんと現時点での地球との距離×光速×2の時差がついてるよ。なんという芸の細やかさ。

ASCII.jp:「はやぶさ」は浦島太郎!? 宇宙経由の輸出入大作戦|“JAXAの真田ぁ〜ず”に総力インタビュー!

 んで結局、プロジェクタイルの確認は行われなかったとのこと。電力不足で死んでしまう恐れがあったので、自殺させることはないということで、ラストショットを優先したのかな? てことはこればっかりはほんとに、カプセルを開けてみるまでわからんわけだな。

――プロジェクタイルの発射をもう一度やってみたいというお話があったそうですが。

川口 カプセルを分離するとき、火工品をふたつくらい動作させてるんですよね。火工品が長時間経っても動作するかについては、それでわかりましたから、あえてそれ以上無理する必要はないわけですね。
 そしてカプセル分離後は姿勢の安定に時間がかかったので、そこで撃ってしまうと、ひょっとしたら電力不足で死んでしまう恐れがあったので、自殺させることはないと。

 というわけで、どうやら弾丸発射コマンドの再実行は行なわれなかったようだ。ただ、カプセル分離の過程において、打ち上げから7年経った火工品が動作したことは、今後のサンプラーホーン開発にとっても明るい材料だったといえるのではないだろうか。