静川龍宗『うちのメイドは不定形』(スマッシュ文庫)

年齢なんか関係ない。本読みは、誰しも心に中学二年生を潜ませている。

 うむ、良い台詞である。ま、作品の中身は概ね事前情報なりあらすじから予測できるとおり。小ネタの効かせ方などはなかなか面白いしキャラもよい。人間に擬態した本来は虹色の不定形生物ということで、脳内イメージが最初はオドーになってしまっていまいちだったんだけど、それがいきなりミギーに切り替わった途端、実に親しみが持てるようになったりして。
 もっとも、敵手の改心についてはもうちょっと書き込んでくれないと唐突感が拭えないな。もう一折り増やすか、*1 もしくはラストの挿し絵を入れるため以外の意義があるとは思えない部分をカットしてその分のページ数を回すかしてもよかったのでは? と思わんではない。

うちのメイドは不定形 (スマッシュ文庫)

うちのメイドは不定形 (スマッシュ文庫)

*1:どうやらお値段的に「ワンコイン」という縛りもいつのまにか無くなってるようだし。