十目一八『理の守護神さま。三.血塗れの統率者』(GA文庫)

「強がってはおらぬか? 自分でも、もしかしたら駄目かもしれないと、言うておったそうではないか?」
「ええ、さすがに今回は死ぬと思いました。でも、頑張ってみたら気のせいでした」

 あぁ、好きだな、この会話。お話自体は3冊を費やしてなお、カオティックさが増すばかりでまるで全体像が見えてこないんだが、それぞれに魅力的なキャラたちが息抜きの合間に人生を送って、さらにその人生のごく一瞬だけマジになって交わすこういう会話がなかなかに美味しい。