大谷久『いばらの呪い師―病葉兄妹 対 怪人三日月卿』(ガガガ文庫)

 帝都を舞台とし異能を駆使した探偵vs怪盗の大勝負!!! という心躍るはずのストーリーを、ここまで嫌な話に出来るってのは上手いね。負の感情を溜め込んで力に変え行使するって、浦見魔太郎かお前らは。しかも切り札の能力がさらにえげつない。今風の楽しい会話劇のフォーマットで若干薄まってるが、むしろこの作者にはもっとドロドロした方向に突き抜けて欲しいかも。ラノベでそれをやるのも大変だろうけど、ガガガ文庫でならやれそうな気はするな。

いばらの呪い師 (ガガガ文庫)

いばらの呪い師 (ガガガ文庫)