川人忠明『おやすみ魔獣少女 暗黒女神の《領域》』(角川スニーカー文庫)

「じゃあ、訊くけど。そう言ったら、ならなくてもよくなるの? あたしが当主にならなくても、父さんや母さんや村の人たちを、そっとしておいてくれるって約束してくれるの?」

 おお、これは確かに『ダークエルフの口づけ』の人の新作だわ。シビアね。容赦なく死ぬ死ぬ。今どきの普通のラノベなら、あの人なんかは生き延びてライバルになりそうなもんだが。それにしても、ハッピーエンドになる道筋がこれっぽっちも見えてこんなぁ。エストの願いなんて「内乱しか起こらない」状態にする以外にクリアできそうにないし。すでに続刊の刊行も決まってるようだし、実に楽しみである。