犬村小六『とある飛空士への恋歌 4』(ガガガ文庫)

　あぁ、感想、何を書いてもネタバレのオンパレードになりそうだな。期待通りの筋運びに期待以上の容赦ない殺し合いに、イグナシオとバンデラスが美味しいところをかっさらって、アリーの直談判なんかも実に男前なんだけど、出撃前の照れっぷりも実に可愛いんだけど、さすがにあれの前では影が薄いと言わざるを得ない。でもってまたまたひっくり返るようなラスト1行。
　で、前巻でも思ったけど、以前の描写で「正直ちょっとウザいかも」と思った部分が、見事にひっくり返って生きてくるんだよな。「通行人」連呼はこのためにあったのか、と。だとすると、寮長無双もきっと次巻で生きてくるに違いない?
　しかし、人間関係も戦争関係もおおむね一段落ついて、でもラストがあれで、謎のニュータイプ的行動の謎解きがまだ残ってて、お話しのモチーフは『ロミオとジュリエット』で、そして次巻が最終巻。なんか、とんでもなくキッツいお話しになりそうやなぁ。どうか「生きろ」に相応しい返事を返してくれますように。早く読みたいぞー、執筆頑張ってーっ ＞作者。

とある飛空士への恋歌 4 (ガガガ文庫)