中国が月面で天体観測に挑戦 - MSN産経ニュース
なんとも、意図不明な計画なんだよな。以前から
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みたいに記事になってるし、計画自体はマジなんだろうけど、目的が謎。地球外に天体観測機器を持ち出す理由は当然ながら、地球大気なりバンアレン帯なりに遮られるものを観測したいorもっと低ノイズな環境が欲しい、のいずれかだろうけど、地球周回軌道or地球-月のラグランジュ点or人工惑星軌道or太陽-地球のラグランジュ点で得られなくて月面なら得られるメリット、しかも月への着陸装置や重力下での構造材・稼働機構や越夜のための装備の重量とコストというデメリットを打ち消すに足るものとなると……思いつくのは
- (地球から見て)裏側に電波望遠鏡
- 極の永久影に赤外線望遠鏡
- (月に基地がすでにあるのなら)故障対応や機材のアップグレードが容易
ぐらいかな。3つめは現時点では論外だし、2つめもエネルギーの確保と供給を考えると当面は非現実的、*1 1つめは、現時点でも実現可能性はゼロじゃないだろうけど、リレー衛星か何かによる通信網の構築を含めれば結構大規模な計画になるだろうし、記事の記述を読む限りでは、そこまでの規模の計画には思えないよなぁ。
で、科学的な面から見て意味不明となると、残る可能性は政治的意図。しかしいくら何でも「月面に天体望遠鏡を持ち込んだのは世界初」と国威発揚のために喧伝するだけが目的、なんて頭の悪い可能性はないだろう。*2 とすると……妄想力を全開にして一つ思いついたのは、「月面に、月それ自体の探査目的でもモニュメントの類でもなく月面環境を活用する目的で、一時的でなくそれなりの期間にわたって稼働する設備」を初めて設置した実績って、将来的に何か権益を主張する際にゼロではない意味を持つ?