三浦良『銀の河のガーディアン』(富士見ファンタジア文庫)

 なかなか面白かったが、ラスト、そう落とすか。主人公たちを英雄にする気はないってことで、これはきっと「仮想未来史」方面へ進んでくれるに違いない、わくわく。しかも、魔術に依って立つ銀河帝国で主力人型兵器は人型、その理由が印を組ませるためとか、この作者のファンであると同時に古橋秀之ファンでもある俺としては実に美味しい設定。あと、宰相とか艦長とかテロリストとか、旧同盟のおっさんたちのプロフェッショナリズムが実に美味しい。*1
 お話しとしてはほんとに導入エピソードも良いとこだし、主人公の性格もあって、正直、これだけではいささか盛り上がりに欠けると言わざるを得ない。萌えじゃなく燃え方向のお話しなんだから、もっとどんどん大事になってくれなきゃもの足りぬ。今度はなんとしても続刊が出てくれますように(お祈り)。

銀の河のガーディアン (富士見ファンタジア文庫)

銀の河のガーディアン (富士見ファンタジア文庫)

*1:アーヴ帝国による地上人の扱い方も彷彿とさせるし、何より、バーラトの和約後に地球教が暗躍せずレンネンカンプが暴走せずラインハルトが発病しなかったら、ヤン・ファミリーの面々はこんな風になったんだろうなぁ。