木村航『ななめカンナヅマ』(ファミ通文庫)

 ここ最近の数作とはうってかわって、神話というかおとぎ話っぽい雰囲気に衒学風味、*1 でもお話自体はいつもの、思い込みの激しい女の子とヘタレだけどここぞというところで馬力を見せる男の子のスレ違いとその解消のエピソード。面白いんだけど、シリーズを前提としてみればタイトルに名前を載せてる本来は主役であろう七芽をメインとしたロードムービーにならなきゃならないのに、狂言回しどころか途中から終盤にかけて完全に空気。七芽とクレクレがいろんな世界を回る話と、百地島を作り出したものと神/鬼の話と、タウロとポーシャの話と、詰め込みすぎてとっちらかってるような。

ななめカンナヅマ (ファミ通文庫)

ななめカンナヅマ (ファミ通文庫)

*1:ちょっと『カンピオーネ!』を連想したり。