河野裕『サクラダリセット 3 MEMORY in CHILDREN』(角川スニーカー文庫)

 「帰ってきた相麻菫」前編、だな。いやもう、こんなところで「待て次巻」されては、謎ばっか。しかしお話しは謎ばっかでも、ともかく漂う空気感が素敵。「静謐」かな、一番似合うのは。
 で、ストーリー自体も謎だけど、今巻で一番謎なのは、2年前(あるいはそれ以前)のケイと春埼の内面だな。一体全体何がどうなったらこんな奇妙な人たちが出来上がるんだか。そして、そこからどうやって今の状態に変化したかを考えると、ひょっとして、ケイに「やってしもた」感を味合わせ復活のために必死にならせることこそが彼女の目的だった?