白鳥士郎『蒼海ガールズ!』『蒼海ガールズ! 2』『蒼海ガールズ! 3』(GA文庫)

 田舎での法事への往復の車中で一気読み。絵柄と、女装男子が男女比1:200の「女の子だけの帆船」に、というアホな設定に騙されてこれまで手に取らなかったが、なんのなんの、ガチでの帆船もの海戦ものに、ラノベレーベルで出すための羊の皮を被せてるわけか。老舗1隻vs急造7隻の海戦とか、決戦前には着飾ってお化粧とか、実に燃えるじゃないか。まぁさすがにラノベ故か、それでも抑えめで、敵方はともかく味方サイドはせいぜい指が2本吹っ飛ぶとか木の破片が刺さるレベルで済んでるが。
 2巻目、前半のキャッキャウフフパートについては文句なし。でも後半はちょっとパワーダウンかな。もうちょい「チキンレース」について読者をミスリードして欲しかったし、いくらラストのオチのために、また次巻で「物資は心配なし」状態にしないために必要とはいえ、爆破ミスは情けない。プライベートのダメっぷりをハイ・コントラストで際だたせるために、せっかく上級士官たちをここまでプロフェッショナリズムの極致として描いてきたのに。
 そして3巻、これは燃える。艦隊戦になっちゃって単艦の活躍の場が無くなっちゃってどうしようと思ってたらそうくるか。これまでややバラケ気味だったギャグパートとシリアスパートも上手くミックスしてる感じだし、上手い。「キリがよいので完結」という潔さにも好感度アップ。

蒼海ガールズ! (GA文庫)

蒼海ガールズ! (GA文庫)

蒼海ガールズ! 2 (GA文庫)

蒼海ガールズ! 2 (GA文庫)

蒼海ガールズ! 3 (GA文庫)

蒼海ガールズ! 3 (GA文庫)