偏り投票企画「そう、あたしたちはこんなにも変てこなライトノベルを愛しているのだらよ」 | まいじゃー推進委員会！

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　さて、開催予告以来ずっと何を投票しようか考えてたんだけど、悩む悩む。何せ、俺がタイトル買い/作者買い以外で新しく変わったもんに手を出すにあたって、最大の情報源がまいじゃー推進委員会さんなんだから、極楽トンボさんの変てこで、かつまだ見ぬラノベを知りたいという要望にお応えするタマをなかなか思いつきませぬ。多分、俺が読んだことのある何を選んでも他の投票者と激しくダブるに違いないでしょう。
　ということで、逆から攻めてみることにしてみます。変なところはあるんだけど「俺的変ラノ条件」を満たさなかったり、充分に変でバカだと思うけど今回のレギュレーションでは外れたりするものをいろいろ上げてみたうえで、最後にさらっと投票しよう。

1.舞台や背景が充分に変

　このジャンル、舞台となる世界が現実世界の現在or過去の姿と異なるだけでは「変さ」がまるで足りません。魔法やドラゴン、超光速航法だの意思疎通すら困難な異星人だのが出てきて当たり前ですし、ごく普通に国家や宇宙や世界の危機が迫りくるんですから、よっぽど変な舞台でおよそとんでもないイベントが起きないと。
　そういう観点からは、成田良悟さんや川崎康宏さんの作品群は、出てくる人物も話の展開も充分に変だけど、舞台装置や背景のイベントが割と普通で、微妙に「変さ」が足りません。不老不死になる酒の作り方を聞くために悪魔を召喚するとか魔法が実在する近代世界でエルフがハードボイルドする程度では、まだぶち切れ方が足りなくて、俺的には面白いスラップスティックだけど「変ラノ」には足りませんでした。

2.登場人物が充分に変

　特に主人公の価値観なりメンタリティなり行動原理がまともだと、他がどんなに変であっても理に落ちちゃって、「変さ」が大きくマイナスされます。
　『だめあね☆』とか『ラブ・ゆう』とか『ねくろま。』では、主人公が突っ込み役に設定されてる*1分だけまともなんで、その分だけ「変さ」ダウンでした。*2

3.勢いとかパワーとか

　『食卓にビールを』は、上記2条件は充分すぎるぐらい満たすんですが、まったりゆったりしすぎて「変パワー」が足りません。それと、『人類は衰退しました』なんかもそうだと思いますが、作者の理性が透けて見えてしまって、なんというか、「変だけどバカじゃない」んですよ。*3

4.これって「ラノベ」かしら

　俺基準では充分に変でバカなんだけど、『銀河帝国の弘法も筆の誤り』を「変ラノ」として挙げるのは気が引けます。*4
　そもそも変でバカな小説って、SFに多いですよね。山本弘さんもSFの本質は「バカ」であると断言してます。そういえばSFバカ本なんていうアンソロジーシリーズもありました。

5.番外

　あと、小説そのものはまともで普通なんだけど、エピローグやあとがきを合わせて読んだ途端に変でバカになる、という変わり種がありますね。『死に急ぐ奴らの街』なんか、あとがきを読むまでは渋くて格好良くて感動的なSFハードボイルドですし、*5 『暗黒太陽の目覚め〈下〉』のエピローグ、それまでの本編との落差をどう表現して良いものか。*6

6.期限切れなど

　ここまでのすべての条件を満たすんだけど、残念ながら過去三年以内というレギュレーションを大きくぶっちぎっちゃってるファイブリアシリーズ、勿体ないのでここに挙げときます。友野詳さんも変でバカな話が多いですよね。ラノベでも単行本まるまるでもないけど『秘神界―現代編』収録の「暗闇に一直線」とか、*7 もはや小説ですらないけど『バカバカRPGをかたる』とか。*8 *9
　もう一つレギュレーション外で『食前絶後!!』も。これも俺的「バカ小説オールタイムベスト」です。

7.投票

　以上の選考課程を経まして、以下の5冊に投票いたします。

　ぬ、そういえばトラックバックって意識してやったこと無いな。これでうまくいってるのかしらん?

*1:でないと話がまとまりませんが。

*2:『ねくろま 2。』は主人公にドジっ子属性が加わった分だけまともじゃなくなって、「変さ」が増えましたね。

*3:かといって作者の理性が失われかけてれば「変ラノ」かというと、『学園キノ』も別の意味で「変ラノ」じゃない気がします。うーん、ここで羅列してる俺的条件は満たしてるとは思うんだが。

*4:ジャンルとしては「グロSF」もとい「ゲロSF」かなぁ。

*5:文庫版にはあとがきが収録されてないそうです。あれを落とすか、普通? 火浦功さんの作品はどれもこれも程度の差こそあれ変でバカですが、あとがき無しだとこの本だけ群を抜いて異質になっちゃいますね。。

*6:ちなみにこの本はあとがきもかなりキテます。

*7:邪神が復活して滅びゆく世界における半漁人(深きもの)と食屍鬼(グール)のラブストーリーです。

*8:原作者・神坂一さん参加のスレイヤーズd20リプレイもあり。

*9:そういえばTRPGリプレイって「変ラノ」に近いものがあるような気がします。ゲームマスターとプレイヤーの立場・認識すれ違いとサイコロの神様のいたずらが、計算外の何かを生み出すからかな?