柏葉空十郎『桜田家のヒミツ―お父さんは下っぱ戦闘員』(電撃文庫)

 奇作・怪作としては同ネタ先達たる『俺の足には鰓がある』「37564人目の悲劇」仮面ライダーになりたかった戦闘員に及ばず、「最終選考会で賛否両論」というほどもなく色物に見せかけて実は「普通にいい話」なのは予想通り。が、クライマックスでいきなり「システム」について滔々とまくし立てるのは……ま、なんというか、あとがきの状況がなるほどと飲み込めてしまったり。
 が、まぁ、人質が自分はストックホルム症候群なのかと自問するシュールさや、特オタとしてネタ自体は好みなんで、次回作にはそれなりに期待。

桜田家のヒミツ―お父さんは下っぱ戦闘員 (電撃文庫)

桜田家のヒミツ―お父さんは下っぱ戦闘員 (電撃文庫)