いまいち×2
丸山英人『夜と血のカンケイ。』(電撃文庫)
「隙間女(幅広)」が非常に良かったんでかなり期待してたんだが、確かに設定とキャラ配置の斬新さは更に上手を行ってるものの、そこまで。間延びしている上に文章の切れが悪いというか、地の文のテンポが……何か説明して「なのだ」「であった」でシーンチェンジ、が多すぎ。普通はもうちょっと変化をつけたくならんもんかしら。*1
これでキャラが魅力的ならそれでも良かったんだが、残念ながら人間のほうは共感不能な有り得無さで、人外のほうは人外にしても心境の変化が唐突すぎ。「お前はこれまで何人の血を吸ってきたんだ?」と聞きたくなる。せめてロッカー事件を心境変化のトリガーにしておけば、かなり印象が変わったんじゃなかろうかしら。