いまいち×2

久遠くおん『桜の下で会いましょう』(HJ文庫)

 爽やかな小品、といったところで悪くはない。世界の謎だのややこしい背後の組織だのへの言及をミニマムに抑えて主役たちに話を絞って描写してる*1のも好感度高し。*2

 が、これも大賞同様、「期待の受賞作」としては淡泊だよなぁ。それにしても大賞も優秀賞も「実年齢は高いが世間知らずの人外ロリ」って、どんだけ『たま◇なま』にあやかりたいんだよ >HJ文庫。あと、少なくとも本作についてはHJ文庫編集部が改稿指導に関してまともに仕事をしてないんじゃないかと疑わざるを得ない。「ふむ、こっちの大根の方がよさそうだな」 - いつも月夜に本と酒で逐一挙げられてる突っ込みポイント、全ての点に全面的に同意ってわけでもないが、商業出版物として金を取れる水準に達してるとはちょっと思えん。作品全体の雰囲気や流れが気に入っただけに、非常に残念。

西尾維新『オリジナルドラマCD 佰物語』(講談社BOX)

 面白いんだが……コストパフォーマンス最悪。おまけに阿良々木さんの友達の(居ない)話はぐさぐさ刺さる。正直、この内容に税別2800円だして買って痛いところをゲシゲシやられて楽しむって、マゾ気質やなぁ >俺。ま、一冊まるまる、羽川さんの凄さに感服した上で、予定されてる残り二巻にワクワクするための一冊、かな。

*1:それでも翼が不憫な扱いに過ぎる気もしないではないが。

*2:大賞作のほうが、風呂敷を広げすぎて風に煽られ明後日の方向に飛んでいった感があったのと好対照かも。