三原みつき『ごくペン!』(MF文庫J)

 いやぁ、素晴らしくバカだ。実に格好良いバカ、新人のデビューでしかあり得ない、勢いのいいバカ。誰が喜ぶかわからないけれど、誰かが喜ぶお話という選評が実に言い得て妙だな。少なくとも「変な話」「バカ話」の好きな俺は喜びましたとも。
 で、いろいろ誉めようと思ってたら徒然雑記 : ごくペン! - livedoor Blog(ブログ)を見つけちゃったのでパス。おおむね同意。特にでもこれは続きは出して欲しくないなあ。もうこの一巻で書くべき事は余すことなく描き尽くしているのでこれで続いたら、編集の見識を疑いますよ。この作者さんには、さっさと次の新しいステージを用意してほしいには完全に同感。
 ただ、ストーリーとキャラクターには文句はないんだけど、文体が非常に残念。よくこういうおちょくられ方をする、うざい男性主人公一人称喋りそのもの。四章で三人称になって一気に読みやすくなるところをみると、どうも分かってやってるんじゃなかろうか。あえて一種のギャグとして意図的に鬱陶しくしてる感じ。ハルヒのヒットにあやかってキョンを真似てるのかなんだか知らんけど、もし次作がこの文体のままだったら食指が伸びるかどうかは微妙かも。

ごくペン! (MF文庫J)

ごくペン! (MF文庫J)