鳥羽徹『オルキヌス 3 稲朽深弦の調停生活』(GA文庫)

 おや、シリアスだ。他人の揉め事や不幸を何とかする職に就いて手柄を立てたいと願う、イコール揉め事や不幸の発生を願うってことだわな。そういえばすっかり忘れてたが、この主人公、口車大王にしてトンチ魔神であるが、同時に熱血キャラなのであったか。良い子だねぇ。↓の台詞なんか、実に初々しい「努力・友情・勝利」だわ(違う?)。

「だから悪いのは私だって言ってるだろ! ここは譲れよ!」
「いいえ、譲りませんわ! 悪いのは私の方です!

 てなわけで、今巻はちょっと口車成分低めだが、充分に面白かった。まぁ、あまりにご都合よく問題解決の糸口があらかじめ配置されてるのはご愛敬。もっとも魔法少女グラ子ちゃんの必殺技「きみのハートをフィッシング詐欺!」までもが伏線だとは思わなんだ、腹痛い。3巻打ち切りとかの憂き目にもあわず次も出るようだし、楽しみ。