JAXA|木下冨雄 宇宙への大航海時代をむかえて

 こういうことを真顔で研究してる人がいるってこと自体は非常に興味深いんだけど、発言の一部切り取り的になってるような気はするんだけど、

宇宙空間にも市民社会を成立できると思いますし、成立させる見込みがなければ宇宙へ進出するべきではないと思います。しかし、その社会の形態は、構成される人数や国籍、能力、期間、滞在の目的などによって大きく異なります。例えば、休暇を楽しむための宇宙リゾートか、商売に関係する宇宙ビジネスか、科学的な研究基地か、それも単一国家の主権のもとに行われるのか、国際的な機構のもとで行われるのかによって、成立する社会集団は大きく違います。
私たちの場合は、一般の人が観光で行って、リゾート地として宇宙を楽しめる状態の社会集団をとりあえず考えていますが、これを実現するだけでも、あらゆるリスクを想定して制度設計する必要があります。例えば、子供がジュースを宇宙船内でこぼした場合の対処方法をどこまで訓練をするかといったことから、犯罪がおきたときに、誰がどの法律で罰するのかといったことまで、乗り越えなければならない課題がたくさんあります。市民社会の成立には、このようなリスクガバナンスのシステムを完璧に仕上げておくことが前提でしょう。

なんか、「完璧な準備ができない限り、宇宙進出はしません」と聞こえて仕方がない。「ゼロリスク信仰」っぽいものが透けて見えて気に触ってしまう。「万一にも人命に関わる事故が起きたらおしまいなので、月面探査は人型ロボットで行います」みたいな。"Space, the final frontier. These are the voyages of the starship Enterprise. It's five year mission, to explore strange new worlds, to seek out new life and new civilizations, to boldly go where no man has gone before..."というフレーズを心から愛する一人として、ぶーたれておきたい。