藤原祐『アカイロ/ロマンス 6 舞いて散れ、宵の枯葉』(電撃文庫)

 素晴らしい。最後の大決戦から大団円。それどころか口絵の段階でウルウルくる。性悪の陰謀家の小細工とポニテ軍曹とチェーンソーマニアの苦い勝利。なんというか、「こうなるとエグいけど格好いいだろうなぁ」という予想と期待をすべて満たしてもらった気分。吉乃の携帯に供子の最後の命令に棺奈の「意志」、ぶっちゃけベタな「泣かせ」なのに実に感動中枢を直撃してくること。
 惜しむらくは、もちろんあの前巻ラストからの最終刊なんだから仕方ないんだが、バカップル分やニヤニヤ分が足りないこと。エピローグで多少は補給されるんだが、まだまだ足りぬ。この飢えと渇きを癒すためにも、なんとしても短編集『アカ☆ロマ』*1を出してくれますように。

*1:『あかろまっ!』でも可。