佐々原史緒『創立!? 三ツ星生徒会 4 そうして恋3は辿りつく』(ファミ通文庫)

 謎を秘めたいい雰囲気の、そして「ああ、最終巻だなぁ」としみじみ思わせる素敵なプロローグ。何たってあのヘタレの恵くんが相手を「君」呼ばわりですもの。あと一冊でそんなに成長できるんかい、とすら思いましたわよ。
 で、そのまま怒濤の展開に爽やかなエンディング。良いものでした。惜しむらくは、あと一冊、短編or小エピソード集かなんかで、他の生徒会メンバーとか各部活の人たちのお話の掘り下げをやって欲しかった……まぁその分、女帝さま分をたっぷり楽しめたので良しとしようか。

「最初から言ってるだろう? 私は仕留め甲斐のある敵が欲しいんだと。君は、強敵だ」
「それはこっちの台詞だ! また私の目の前で『僕なんかが』なんて言いやがったら承知しない! 本当に口から内蔵が出るまで踏んでくれるわっ!」

創立!? 三ツ星生徒会4 そうして恋3は辿りつく (ファミ通文庫)

創立!? 三ツ星生徒会4 そうして恋3は辿りつく (ファミ通文庫)