海冬レイジ『機巧少女は傷つかない 1―Facing“Cannibal Candy”』(MF文庫J)
面白い、というよりは「格好いい」か、これは。ベタベタの王道だけど、ヒロインのピンチに己のダメージをおして駆けつける主人公はこうでなくちゃ。コメディ部分の掛け合いもなかなか。
もっとも背景世界とか裏事情についてはなにしろシリーズ前提の一巻目なんでまだ海のものとも山のものとも。天稟だけではなく技術や知識や経験を必要とする分野で、世界のトップたる「魔王」への登竜門への入場資格が、修学機関の在学者に限られる? なんという「男組」な世界観。あとがきでは「魔法学園モノ」といってるけど、そういう方向へ進ませられるのかしら? ゼロサムゲームに挑むのに仲間を作ってどーすんだ。
それよりはどっちかっつーと、オーソドックスな「能力バトル」、というかジョジョ三部っぽい気が。ゼロサムゲーム自体は主人公にとっては目的でなく手段で本来の目的は近親者のため、だし、夜々はどう見てもスタープラチナ。他の自動人形が様々な特殊能力を見せる中、ひたすらパワーとスピードと精密性で正面から相手を粉砕。*1 とするとシャルとシグムントは飛び道具でフォローできるとこから見ると花京院とハイエロファントってとこか。
機巧少女は傷つかない〈1〉 Facing "Cannibal Candy" (MF文庫J)
- 作者: 海冬レイジ,るろお
- 出版社/メーカー: メディアファクトリー
- 発売日: 2009/11/21
- メディア: 文庫
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*1:もっとも、器用さや多彩な技とは無縁で、ひたすら基本技だけを超高レベルで習熟、ってのはそもそも熱血主人公の基本だな。