ISASメールマガジン 第 281号

 「こんなこともあろうかと」の舞台裏。だよなぁ、表に出ずに結果的に「無駄」に終わったこういうネタって、なんぼでもあるはずだよね。「無駄を削る」と呪文を唱えさえすればマニフェストを実現できる予算が湧いてくるという最近流行のカルトの人たちに、爪の垢を分けて上げてください。

「かぐや」の運用に参加した私の仕事の一つは、バックアップ軌道を準備することでした。何らかの理由で「かぐや」の月周回軌道投入がうまくいかなかった場合のために、数ヶ月後に月と再会合して周回軌道投入に再チャレンジできるような軌道計画を準備していました。なかなか大変な作業だったこともあり、「かぐや」が無事に月周回軌道に投入された時に「せっかくバックアップ軌道を準備してたのに、、」と冗談を言ったところ、運用メンバーの一人から「しっかり準備をしていたからこそ、何事もおこらず、うまく行ったんですよ」と言われました。