伊都工平『X(エクサ)の魔王 2』(MF文庫J)
ヒロインがすでに死んでて腐敗が止まっているだけ(中略)『カルセならこうあるだろう』という姿を、魔法によって忠実に演じているにすぎない
という前代未聞の状態で始まる2巻目。しかしそれ故にこそ彼女が実にヒロインらしいヒロインになってるってのが、実に意地悪な構造のお話しだ。生きてないが故に迷わず曲がらずぶれない、なので他の全キャラの支柱にして指針となる、まさにストーリーの中核が空っぽのゾンビ。よくもまぁこんな変な構成を思いつくもんだ >作者。
で、その奇怪きわまりない構造が、アホな敵手の干渉によって希望のありそうな方向に落ちつきそうになったと思ったら、ラストに唐突に出てきた「次のボス敵」はいったい何を考えてるのやら。それにしてもとことん、彼女がヒロインにして世界の中心なのね。
あと、帯の「
- 作者: 伊都工平,万国あゆや
- 出版社/メーカー: メディアファクトリー
- 発売日: 2010/02/25
- メディア: 文庫
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