北元あきの『竜王女は天に舞う 2 from the Third Empire』(MF文庫J)

 微妙。謎を追うストーリーやら戦う主人公のモチベーション的には面白いんだが、ラブコメ分の増量やらロッテの壊れ方に、かなりの無理矢理感とおっさん臭さが漂うな。あとがきからも作者自身がそのチグハグ感を自覚してるがやむなく、という印象を受ける。ま、レーベルがレーベルだし、ラブコメ色を薄めるってわけにもいかんだろうが、何とか上手くバランスをとって進めていって欲しいもんだ。なにしろ舞台が「戦闘・諜報要員養成校、公安機関付き」で当面の敵が多国籍テロリストなんだし、きっちりダークで殺伐とした方向へ開き直ってもいいと思うなぁ。願わくば、本巻は今後の怒濤の展開の下ごしらえとしてキャラを立てるための助走、単体で見ると微妙かも知れんが次からは一気に、という流れでありますように。