比嘉智康『神明解ろーどくらす』(MF文庫J)

 あらすじとか読み始めの感触から『はがない』系のゆるふわ日常部活もの*1に思えつつ、しかしだんだんと背筋にじわじわくるのは、『ギャルゴ!!!!!』の人の新作だから、という先入観*2だけによるものではあるまい。主人公の発想の斜め上さもいい加減ホラーだけど、ヒロインの内面がサイコにしか思えなくて実にgkbrもの。千歳の自虐っぷりや新解さんへの精神的依存度は尋常じゃない。ハナさんや噂長なみの背景があっても驚かんぞ。早く「驚くべき真相」が読みたくてたまらん。

神明解ろーどぐらす (MF文庫J)

神明解ろーどぐらす (MF文庫J)

*1:もっとも昨今流行のネタに乗るように見せて、そこであえて帰宅部をチョイスする作者のセンスはさすがだ。さすがはデビュー作のヒーローの武器を物干し竿にした人だけのことはある。

*2:作者名だけで、軽い日常絵巻の皮を被ってるけど、一枚下には恐るべき過去が、という発想をしてしまうな。