白川敏行『はるかかなたの年代記 双貌のスヴァローグ』(集英社スーパーダッシュ文庫)

 主人公たちご一行がいい子たち過ぎて不安になるくらい可愛い。ツンデレだの幼なじみだののテンプレをなぞっただけのキャラが居ないのもポイントが高い。
 が、設定を山ほど作り上げてるんだろうけどその説明が余り上手くなく状況が掴みにくかったり、恒星間移民と術の一部系統すら途絶えるほどの文明退行を経ておいて、何でそんなに風俗習慣言語(と食材)が「不思議のある現代」なのよ、とか、設定面にはちょいとアンバランス感が。てか、よくある「現実の地球の各国家をモデルにした国々のあるファンタジー異世界」でいいんじゃないの、これなら。それとカラー口絵3枚目のネタバレっぷりがひどい。登場人物一覧がすぐ前にあるだけになおさら。
 うーん、キャラ萌え性向の薄い読者としては、面白かったんだけど微妙、ってなあたりかな。